武家社会の世も終わり、開国と共に文明開化の波、そして輸入綿糸流入などでかつての伝統の真岡木綿も衰退し、戦後にはほとんど途絶えてしまいました。
西暦1986年(昭和61年)に真岡商工会議所が、中心となって真岡木綿の「復興」を図り、昔ながらの技術と伝統をしっかりと受け継ぎ、今に伝えてきました。
最近ではSLの街真岡ですが、かつては、木綿の代表名詞として通用した時期がありました。
丈夫で質が良く、絹のような肌ざわりの真岡木綿は絶大な人気を得て、江戸時代の西暦1804年~1843年頃(文化・文政・天保年間)には年間38万反を生産し、隆盛を極めました。
当時、江戸の問屋はこぞって真岡木綿を求め、木綿の仕入高の約8割が真岡木綿であったという記録がありました。
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真岡木綿会館
綿の栽培から糸紡ぎ、染め、織りまでを手作業で行う真岡木綿の作業工程を見学や染め物体験、機織り体験(有料)が出来ます。
またその素朴な風合いと肌触りのよさが多くのファンを魅了しています。
入場無料で駐車場も無料で利用で出来ます。
係の方に、丁寧に機織りや糸の紬方、その他色々と真岡木綿について説明して頂きました。
岡部記念館「金鈴荘」
回遊式の日本庭園を備え、周囲には地元の磯山石を使用した石塀が現存します。
建屋は、明治中期の岡部呉服店2代目岡部久四郎が建築材料を多年にわたり集め、大工・指物師は出入りの職人を東京で修行させ、10年と言う長い歳月を費やし建築した建物です。
木造2階建てで、徹底した防火土蔵造りになっています。
内部造作では、床の間の部分は全て紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀山(たがやさん)の唐木が使用されています。
建築してから西暦1952年(昭和27年)まで岡部家の別荘をして、関係者の接待や呉服の展示会場として使用されていました。
その後、西暦1988年(昭和63年)までは、割烹料理店として使用しましたが、同年8月真岡市が借り受け、真岡市近世100年の歴史・文化遺産として後世に引き継ぐため、岡部記念館「金鈴荘」として保存する事になりました。
その後、西暦2001年(平成13年)岡部呉服店から真岡市に寄付されました。
重厚な防火扉が入り口の扉とになります。銅板を被せて有るようです。
金鈴荘には、門がありますが、一般の入場者は、木綿会館にて受付をしてから、係の方の案内に従い見学することになります。(くれぐれも勝手に入らないで下さい)
真岡木綿会館・岡部記念館「金鈴荘」データ
所在地 | 栃木県真岡市荒町2162−1 |
電話 | 0285-83-2560 |
名称 | 真岡木綿会館 |
名称 | 岡部記念館「金鈴荘」 |
有料体験 | 機織り体験 コースター作り:所要時間30分700円 |
有料体験 | 染め物体験 染めハンカチ:所要時間30分500円 |
有料体験 | 染め物体験 染めバンダナ:所要時間30分1000円 |
開館時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 毎週火曜日(休日の場合は翌日) |
入館料 | 無料(両館共に) |
無料駐車場 | あり |
トイレ | あり |
あとがき
4月には、綿の種が無料出配布されました。
詳しい日にちは未決定ですが、7月には綿の苗の無料配布があります。決定し次第情報を提供致します。